東京公園散歩

公園を訪れ地域の歴史・地理について理解を深める

029せせらぎの里公苑

せせらぎの里公苑
新宿区上落合一丁目
20191208
☆☆☆

落合という地名は妙正寺川神田川が落ち合う場所であることに由来する。かつて妙正寺川下落合駅の東で南にカーブして神田川に合流していたが、頻繁に起きる氾濫対策として流路変更が行われた。今はそのまままっすぐ東に伸び、暗渠となって新目白通りの地下を進み、明治通りに架かる高戸橋付近に吐口があり神田川に合流している。

落合水再生センターは神田川に沿って立地している。せせらぎの里公苑の正面入口は北の角だが、神田川に面した東の角にも入口があり、目の前に架かるせせらぎ橋からは、その先で神田川を分け、妙正寺川との合流地点に向けて伸びる高田馬場分水路がよく見える。ただこれでは神田川の一部が妙正寺川に合流していることになる。あくまで妙正寺川神田川の支流のはずだ。

新堀橋から分水路の呑口部を確認すると、神田川の水面より高くなるよう堰が築かれていて、神田川の増水時に妙正寺川へ逃がす役割を担っている。ということは、下落合ではふたつの川の水は決して合流などしていないのだ。

高田馬場分水路は地図上直線で200mにも満たない距離を暗渠で流れ、妙正寺川の最下流に架かる辰巳橋の下で合流する。神田川から水は流入していないにも関わらず分水路の吐口からは水が流れ出ている。東京都下水道局のウェブサイトでは、処理水は、せせらぎの里公苑での親水用水、西新宿や中野坂上のビルでのトイレ用水、城南三河川(渋谷川・古川、目黒川、呑川)の清流復活事業に活用されており、その他は神田川に放流しているとあるので、分水路の中で放流しているのだろう。

合流地点で開渠となるが目と鼻の先で再び暗渠となり、一旦合流したにも関わらず、なぜかまた中間壁で二車線に分けられ、前述の通り高戸橋付近で神田川の本流と合流する。両河川の水が実際に交わるのはこの地点となる。

さて、下落合の妙正寺川高田馬場分水路が交わる点より下流の二車線は、北側が妙正寺川で、南側が高田馬場分水路なのか、それとも単に二車線であるだけでどちらも妙正寺川なのだろうか、はたまたどちらも高田馬場分水路なのだろうか。

高田馬場分水路は神田川のバイパス路であり、呑口以降高戸橋の本流との合流点までが高田馬場分水路、つまり妙正寺川は下落合で神田川の一部である高田馬場分水路との合流点まで、と理解すると合点がいく。

中野区の公式サイト、都市計画河川のページでは、妙正寺川の起点は新宿区下落合二丁目となっている。高田馬場分水路と妙正寺川の合流点である辰巳橋は新目白通りの南にあり、下落合一丁目と二丁目は新目白通りで隔てられているのだから、起点は一丁目ではかいかと思うのだが。いずれにせよ妙正寺川の起点は高戸橋付近ではなさそうだ。

しかし、東京都建設局のサイトでは、妙正寺川は、「杉並区清水三丁目の妙正寺池に源を発し…(省略)神田川流入する延長約9.7km…(省略)現在、流路変更により、辰巳橋を過ぎた所で暗渠(高田馬場分水路)に入り、新目白通りの地下を流れて高田橋付近で神田川に合流しています。」と紹介されている。合流点は下落合ではなかったのか。更に、同サイトで都内の河川リストをダウンロードできるが、リストでは延長9.05kmとなっており数値が一致しない。結局妙正寺川の管理上の起点がどこなのかは釈然としないままである。

前置きが長くなってしまった。せせらぎの里公苑は落合水再生センターの下水処理施設の上に整備されている。都内の限られた土地を有効利用したものだ。

池があり、浅瀬がつくられていて、夏場は水辺を楽しめるだろう。クローバーなど草で覆われた広場があり、遊歩道が巡らしてあり、散歩するのもよいだろう。

遊具は丸太製のアスレチック風滑り台、これまた丸太製の動物や乗り物のスプリング遊具、砂場、神田川寄りの奥まった部分にアスレチックの櫓、ブランコ、遊び方不明のふたこぶバーがある。

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